世界の片隅でひっそりと呟く

アラフィフのサラリーマンです

中国国内での習近平の評価

昨日毛沢東の評価について書いたところですが、タイミング良く習近平の評価についての新聞記事が出てましたので、今日はそっちの方を。

これです。

トウ氏の名は9度登場、一度も出ない習氏の名…「静かな抵抗」暗に体制批判の文章 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

要約すると、『習近平毛沢東を盛んに称賛することで自分を毛沢東に比肩させて鄧小平〜胡錦濤を格下げしてるけど、共産党内では逆に鄧小平を高く評価することによる間接的な習近平への批判が広がっている』というような内容です。批判される要因として挙げられているのは、トップダウンによる強引な政治手法です。また、習近平の狙いとして挙げられているのは、『格差拡大や汚職蔓延など、改革開放の負の側面を是正し、貧富の格差を縮小する』ことです。

この批判を『改革開放で富を得た人達による抵抗』と見るか、それとも『自分の権力強化のために、成功していた鄧小平以来の開放路線を後退させていることへの抵抗』と見るかで、習近平への評価は180度変わるでしょう。

習近平は『富裕層を敵に回してでも庶民のために戦う国士』なのか『権力欲に取り憑かれた普通の中国人』なのか。真相は当人の心の中を覗かない限り分かりませんので想像するしかありませんが、私には前者のように思えます。私利私欲のために権力強化してるようには見えません。富裕層と戦うために、自分の権威を高めて庶民から鉄壁の支持を受けようとしているのではないかと。

しかし、今のところはどちらかと言うと上手くいっていないように思えます。自国の国力を高く評価し過ぎてて先進国を敵に回し過ぎ。以前は発展途上国のリーダーとして振る舞おうとしてましたが、最近はその発展途上国からも離反されてます。仲良くしてるのは投資目当ての後発開発途上国ばかり。中国の富裕層は、他国からどう思われようが自分達さえ良ければ気にしないと思いますが、それが自分達にとっても良くないなら気にします。ただ、庶民は他国からどう思われてるかすら知らないと思います。締め付け厳しくなってることについては、富裕層は不満たっぷり、庶民の興味は生活水準の向上が9割で、『天安門事件』を検索できなくても別に困らないので、情報統制されても「ごちゃごちゃと煩いな」ぐらいの感想かと思われます。

既に人口増が止まったこと、アメリカからの制裁が始まり、そちらに味方する国が多いことなど、中国の未来はあんまり明るくないようです。今の習近平は、富裕層は不満たっぷりで庶民からも思うように支持を集められていない、という感じでしょうか。ドライな中国人庶民達から思想で支持されようとしても土台無理な話。最後は金目ですからね。『中国主導の国際秩序』より『今までどおりアメリカ主導の国際秩序』の方が居心地が良い国が多いので、今後は今までどおりの経済成長は望めないでしょう。当人には残念ですけどどれだけ頑張っても毛沢東や鄧小平を超える評価は無理かなぁと予想します。

毛沢東への評価

サーチナの記事です。

日本への「戦争賠償請求権」を放棄した中国、英断だったと称賛される理由-サーチナ

要約しようとしましたけど元の文からあんまり短くならなかったので全文引用します。シンシアリーさんの真似をして、引用部分を<<〜>>で囲みます。

 

<<中国の習近平国家主席は、講演などで毛沢東を称賛することが多く、毛沢東思想への回帰が進んでいるとも言われる。このためか、中国人の間でも毛沢東を高く評価する声が増えているようだ。中国メディアの百家号はこのほど、中国が日本からの賠償金を放棄したのは毛沢東の英断だったと主張する記事を掲載した。

 記事は、1972年の日中国交正常化にあたって日中共同宣言を発表したが、このなかで中国は、日本に対する戦争賠償請求権を放棄すると宣言したと指摘した。記事は、これには3つの理由があると分析している。

 その1つが「当時の田中角栄首相が中国に友好的だったこと」で、これには毛沢東も驚きつつ、日本にチャンスを与えることにしたと説明した。2つ目は「日本国民のことを考えたから」で、賠償金の負担を日本国民が負うことは毛沢東の望むことではなかったと主張した。

 3つ目は「実際のところ賠償には価値がなかった」ためだという。日本は賠償金を支払うとしても分割で長期間にわたって支払い、理由をつけて支払いを伸ばす可能性が高かったと主張した。金銭ではなく物資での賠償に応じるなら、日本は古い施設や機械をよこすに決まっており、そんなものをもらうくらいならない方が良かったとしている。

 そのうえで記事は、賠償請求権の放棄は毛沢東が「将来を見通した」英断だったと称賛した。そう言える理由として、「日本に台湾と断交させたこと」、「戦争で中国に与えた損害についての謝罪を引き出したこと」、「長期にわたって中国の発展のための援助を獲得したこと」を挙げた。

 それで、日中関係の関係修復の過程から「毛沢東は遠い将来を見通していたことが分かる」とし、賠償請求権を放棄したことは中国の平和的な発展に寄与したと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)>>

 

この記事で挙げている『毛沢東が英断を下した』3つの理由のうち、2つ目の『日本国民のことを考えたから』というのは全然信憑性を感じません。私的には中国人は総じて【利己的】かつ【合理的】な人達だと思ってるので、貰えそうなお金を貰わないのは何か別の利益を狙っている、としか思えないからです。しかし1つ目と3つ目はありそうだと思います。相手が友好的なら、友好関係を築いて長期的な利益を狙おう、今賠償金取るよりそっちの方が得なようだ、と考えることはあり得ます。貸しを作って後から返してもらう作戦です。お金を貸して利息で儲けるようなものでしょうか。そう考えると全然不思議ではありません。

『英断だったと言える理由』として挙げている3つの理由については、実際に実現したことなので、『将来を見通していた』という称賛も的外れではないと思います。日本はものの見事に乗せられてます。

 

ここから本題です。

別に『サーチナは正しい』と共感したから記事にしたわけではないです。毛沢東の評価について、私が思ったことです。ちょっとミスリードな気がします。

中国人が毛沢東を評価しているのは、『戦争に勝ち抜いて統一国家を作った』という戦略家としての評価です。これは5chの『20世紀最高の戦略家は』というようなスレでも必ず名前が上がるように、日本でも高く評価されてます。でも共産主義は全然評価されてません。戦争指導者としては英雄だけど内政は大失敗、「戦争に勝つとこまでで引退しとけばね」というような評価です。いくら習近平が頑張ってもこれは変えられません。普通に考えれば分かりますが、利己的な中国人に共産主義が合うわけがありません。どっちかと言うと日本人の方が合うと思います。稀に国のために生命財産を投げ打つ『国士』と呼ばれるような人が現れますが、それはごくごく稀な人だと中国人自身が分かってるからこそ歴史に名を残して尊敬されてるわけです。中国人が大日本帝国のように特攻隊を作ることなど想像もつきません。毛沢東国共内戦で勝利したのは、中国史でお馴染みの農民の反乱です。共産党の勝利ではあっても共産主義の勝利ではありません。国民党=地主階級、共産党=農民階級というカラー分けで、農民のニーズを的確に掴んだ毛沢東が勝った、というのが実態に近いと思います。今の中国には共産主義の面影はありません。ただの独裁政権です。政府が企業に加担する資本主義、国家ぐるみの資本主義というのが実態かと。習近平共産党の権威を上昇させようとしてと毛沢東の名前を持ち出してるだけで、もし共産主義に戻ろうと言い出したら政府が転覆すると思います。

安倍晋三氏、首相批判に「いいね」? 「岸田の動きの悪さ」指摘ツイートに反応か

↓これです。

安倍晋三氏、首相批判に「いいね」? 「岸田の動きの悪さ」指摘ツイートに反応か(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

元はj-castニュースなんですが、お話したいのがYahooニュースのコメント欄なのでそっちのリンクを貼りました。1週間で消えてしまいますが、内容はタイトルどおりなので問題ないかと思います。

で、コメント欄なんですが、安倍さん批判のオンパレードです。事実ならちょっとみっともない行動な気がするので、批判されてること自体には違和感ありません。

気になったのが、その批判の内容が「安倍のマスク責任取って自腹で買い取れ!」みたいなので埋め尽くされていること。正直言えば私も「すっかり無くなってからマスク作ったって配る頃にはマスク不足解消されちゃってて無駄に終わるだろうな」とは思ってましたが、しかし安倍さんに「失敗したんだから責任取れ!」と言うなら政策なんて実行できません。ただでさえ批判に弱い岸田さんは身動き取れないでしょう。岸田さんを応援したいなら「失敗を恐れるな!」と言うべきではないでしょうか。『モリカケサクラ』に至っては「まだそんなこと言ってる人いるの!?」という感じ。

安倍さんは前任者達があまりにもアレだったので実態以上に評価されてる部分があるかもしれませんが、それでも私から見ると外交面に関しては私が選挙権持ってから一番良かったと思ってます。もし内閣に戻るなら、ぜひ外務大臣になってほしいです。

コメント欄の話に戻りますが、もしかして岸田さんを応援してる人って反安倍さんな人なんじゃないですかね? 自民党支持者の中の反安倍さんなら、それは岸田さん支持ということで別に問題ないと思うんですよ。気になるのが『Yahooニュースに積極的にコメント書く人ってどういう人なのか』ということを考えたら… 私的にはネトウヨとパヨが思い浮かぶんですよね。ネトウヨは岸田さんより安倍さんでしょう。反安倍さんな自民党支持層はどちらかと言うと中間派なイメージがあります。そういう人ってあんまりコメントとか書かないんじゃないかと。だとすると、岸田さんの応援コメントを書いている人というのは… 次の選挙で大幅に衰退するはずのR憲共産党勢力が自民党の内側に食い込んでる、なんてことは私の考え過ぎであってほしいです。

岸田首相は支持しません

昨日のエントリで「マスコミは自分の支持政党をハッキリさせろ」と主張しましたが、そうすると当然「じゃあお前はどうなんだ」というカウンターを食らってしまうので、この辺で私もハッキリ言うことにします。

プロフに記載のとおり『嫌韓』『反中』です。ということは立憲共産党支持というのはあり得ませんね。はい、言うまでもなく私は自民党支持です。でも他に良い政党があればそっちに容赦なく乗り換えるつもりですので党員になるつもりはありません。維新は方向性は良いと思ってますが、いかんせん候補者が今ひとつ吟味されていない感じがするので、今のところ自民党を支持してます。

しかし岸田首相は支持してません。それどころか「とっとと辞任してほしい」ぐらいに思ってます。もう見切りました。別に岸田さんの周囲に親中の香りが漂っているからというわけではなく、実行力というものが感じられないからです。発言コロコロ変わりすぎ。1回でも変わったら幻滅するのに、もう何回変わったことか。組織のトップの発言というのは重いのです。トップの姿勢で組織全体の方向が決まるのです。まして首相は国のトップです。首相が「帰国便の受付を停止しろ」と言えば、全航空会社が大急ぎでホームページにお知らせを載せ、ジャンジャンかかって来る問い合わせの電話を捌き、やっと一段落したと思ったのにその翌日には「帰国者に十分配慮しろ」などと言われたら現場の人間は大変迷惑なのです。

↓これは本日の新宿会計士さんの記事です。

不勉強すぎる岸田首相「株主は賃上げ必要性理解せよ」 – 新宿会計士の政治経済評論

新宿会計士さんの論説を要約すると『株主がそんなこと納得するわけがない。まして外国人株主にはいくら頼んでも無駄だ』という内容です。確かにそんな気がします。儲けるために株を買った人に「利益減るけど我慢しろ」と言って「はい分かりました」となるかどうか。しかし、私としては「もしかしたら…」と思わなくもないです。数年前に安倍さんが「携帯電話料金を下げろ」と言った時、「資本主義国家でそんなん言っても上手くいくわけがない。どうしても下げたいならドコモ再国有化でもするしかない」と周りにエラソーに力説してたらドコモがahamoを始めてすっかり面目丸潰れになったことがあるからです。専門家には『無理だ』と思うことでも、私クラスの人間は「ワンチャンあるかも」という期待を持つわけです。つまり、私が不支持なのは政策の問題ではありません。前述のように、純粋に実行力不足が理由です。

どんな良い政策であっても、何かを変えるなら必ず反対があります。国民の9割が得するけど1割が損するならその1割が反対するし、今は国民全員が損するけど将来は良くなるというなら今損するの嫌だという人が反対します。リーダーならその反対を押し切って実行できなければなりません。なかなか決められなくて優柔不断に見えても、一度決めたら実行するのであればそれはそれで良しです。周りの話を良く聞いて慎重に考えて考えて考え抜いた結論をちょっと反対されただけで撤回するのではリーダー失格です。『政治生命をかけてでも外国人投資家を説得する』という気概があれば支持しますが、その【政治生命をかける】というのが岸田首相にはできそうもありません。恐らく『反対されたから撤回』又は『納得してもらえなかったことは遺憾です』で終わりでしょう。そう考えると、首相はそんなに頭が良くなくても良いかもしれません。政策立案能力など不要なのかも。もちろんバカでは困りますが。

では誰を支持してるかと言えば、高市さんです。ネトウヨと被ってるので大きい声では言いにくいんですが、たまたま被ってるだけで私は決してネトウヨではありません。ただの愛国者です。携帯電話料金引き下げの時の総務相で、あの時は「アホか」と思いましたが、結果的に成功したのでその件ではマイナス評価はしません。自分にマイナス評価しました。討論会では断トツに良かったと思います。次期首相には是非高市さんになっていただきたいと思います。

放送法は改正を

『サンモニ』涌井教授、メディアの政治的主張「公平でなくてもいい」発言で物議 | リアルライブ

5chのまとめサイトで見つけたニュースです。

19日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、東京都市大学教授の涌井雅之氏が「ジャーナリストは公平じゃなくてもかまわない」と主張したそうです。

全く同感です

人の考えに公平中立なんて無理です。機械じゃないんですから。人それぞれ立場や好みの違いがあり、常にその中間に自分を置くなどということは不可能です。偏向してるのが普通なのです。

例えば、朝日新聞が公平だと思ってる人が日本に何人いるでしょうか。朝日新聞に共感してる人が産経新聞を読んで公平だと思うんでしょうか。マスコミはそれぞれ違う立場でニュースを発信し論評してるわけです。でもテレビに関しては、放送法に則って運営してるので建て前だけは公平だ、ということになっているわけです。これは許せません。テレビの報道番組が放送法違反に問われていないということは、国が『テレビは公平である」というお墨付きを与えているようなものです。

ここらでハッキリさせましょう。マスコミは全て自分の立場を明らかにすべきです。偏向上等です。許せないのは『偏向してるくせに公平中立な振りして世論を誘導しようとしている』ことであって、視聴者に「うちは偏向してますよ」と事前に伝わっていれば何の問題もありません。このブログ上での私は嫌韓であると公表しているので、読んでる人は「こいつ韓国嫌いだからこんなこと言ってるんだろうな」という正しい先入観の下に論説を読むことができるわけです。そういう意味で、日本の新聞で最も論評に信頼がおけるのは赤旗新聞聖教新聞だと思います。

つまり放送法第4条第2項の『政治的に公平であること』という条文は廃止。マスコミには自分の支持政党を堂々と宣言させる。朝日・毎日・東京・共同通信時事通信及びその系列テレビ局はパヨ御用達としてアメリカの悪いニュースばかりを、読売・産経及びその系列テレビ局はウヨ御用達として中韓の悪いニュースばかりを報道する。ついでにNHKは国営化して政府に都合の良いニュースばかりを放送する。嘘や捏造は厳しく罰するけど、事実に基づくプロパガンダはオッケー(ただし戦争や人種差別を扇動するのは国際法違反なので禁止)、『報道しない自由』もご自由に。過激派の爆弾テロ犯が逮捕されたとして、ウヨ新聞が「出された食事をペロリとたいらげた」と書き、パヨ新聞が「反省した様子で食事を口に押し込んでいた」と書いたとしても、読者に正しい先入観があれば印象操作される心配はありません。更にテレビ東京だけはパヨもウヨもごちゃ混ぜで放送したりすると立ち位置として面白いかも。

なんか支持政党別に見ると立憲共産社民れいわが5社で自民維新が2社というのは得票率からするとバランス的にどうかと思いますが、それだけパヨの方には新聞代を多く負担している人が多いということでしょう。これならパヨ新聞とウヨ新聞両方を読めば一通りの情報が手に入ります。現状でそれぞれ複数あるのも都合が良いです。パヨもウヨもスポンサーには弱いので、スポンサーが違うテレビ局があればより多くの情報を受けられます。

現状でも『報道しない自由』を享受しているマスコミばかりなんですから、そういうのハッキリさせた方が良くないですかね。

彭帥さん事件に見る中国共産党の未来

昨日から立て続けに彭帥さん関連のニュースが報道されました。

・中国国内で彭帥さん関連のニュースを放送中のNHK海外放送のニュース番組が放送中断

・彭帥さんがシンガポール紙の取材に応じ性的暴行被害を否定

共産党機関紙の記者がツィッターで彭帥さんがNBAスターの姚明と談笑している動画を配信

の3件です。

このうち性的暴行被害を否定したという件については全くその通りで、私も11月初めに最初の報道を見た時は性接待の強要でもされてたのかと思いましたが、後で告白文を読んだ限りではただの不倫です。愛人関係にあった高官の心変わりを責めただけで、暴行されたと読めるような記述はありませんでした。

不倫が原因で失脚した人と言えば山﨑拓さんを思い出します。日本では愛人がいたというだけで地位を奪われることはありません。当時の小泉首相も「私の監督不行届きで…」などと謝罪会見を開くこともなく、山﨑さんは選挙によって審判を受けて地位を失いました。今思えば愛人がいた政治家など珍しくもないのに性癖が特殊だという理由で山﨑さんだけが落選となったのは気の毒な気もしますが、それだけ『ヘンタイ』というレッテルは強いということでしょうか。性の多様化の公認が叫ばれている現代なら或いは… とも思いましたが、やはりあの風貌で『赤ちゃんプレイ』は気持ち悪すぎてダメですかね。

話が逸れましたので本題に戻ります。日本だったら週刊誌のネタにしかならないようなことが、何故こんな大事件になっているんでしょうか。彭帥さんが何らかの形で自由を奪われているのは確実でしょう。軟禁されているか、外出できたとしても公安の監視下にあるものと思われます。海外から批判される度に何故か政府系の機関から彭帥さんの映像が出て来るなんて怪しすぎます。本当に自由なら自由に取材を受けさせれば良かったんです。しかし、国民からニュースを遮断し、海外に対しては政府系の機関を通じて安全だとアピールする。どう見ても怪しいでしょう。何故こんなことをするのでしょうか。ただでさえウイグルや香港の件で人権軽視を批判されてて、それが大切なオリンピックにまで飛び火しているというのに、何故一個人である彭帥さんの件で批判されるようなことをするんでしょうか。彭帥さんが何か国家機密でも握ってるんでしょうか。そんなわけないですよね。では放っておけば良いんです。政府の威厳を棄損したなら、不倫した高官をクビにするだけで良いはずです。それなのに何故こんなに必死なんでしょうか。ここから見えるのは、中国共産党の余裕の無さです。

中国共産党と言えば、いかにも強権で無理矢理国内を押さえつけているようなイメージがありますが、実態は決してそれだけではありません。その基盤には国民からの支持があります。中国の歴史を見れば分かるとおり、中国人はそれほど権力に従順な人達ではありません。日本でも平安時代末の鎌倉幕府設立、鎌倉時代末の建武の新政から室町幕府の設立、明治維新など、何度か政権交代がありましたが、いずれも地方権力が前政権を倒すという形でした。しかし中国では農民自身が武器を取り、何度も政権を転覆させています。和をもって尊しとなす日本人とは違い、従順どころかどっちかと言うと武闘派です。これは私の推測ですが、中国共産党が恐れているのは外部の敵ではなく自国民です。人民解放軍がいかに巨大な戦力があったとしても11億人の人民が反乱を起こしたら敵いません。ムチだけではなくアメも与えているからこそ政権を維持できているわけです。ムチが公安による監視だとすれば、アメは経済成長です。『中国共産党に政権を任せておけば生活が良くなっていく』という期待感がアメとなって、わがままで自分勝手な国民達を繋ぎ止めているのだと思います。

結果的に彭帥さん事件で分かるのは『中国共産党が国民からの支持を失いかけている』ということです。実際に失いかけているかどうかは別として、中国共産党自身がそう考えているのではないかと思われます。支持されている自信があるなら「スケベなのが1人や2人いたってどうってことない」と考えて放置するはずだからです。今は何としてでも国民から批判されるようなことは避けたい、党の無謬性を保ちたい、という状況なのでしょう。つまり、ここ最近の失政を自覚しているということです。ファーウェイへの制裁やウイグル族への人権侵害での制裁に有効な反撃ができていないことや、もっと大きいのが石炭でオーストラリアに屈服してしまったことではないかと思われます。石炭の件では大規模な停電を発生させてしまったことで、国民にかなりの不満が生じたはずです。この国民の怒りを抑えるのに必死で、対外的な批判になどかまってられない状況なのではないかと思われます。

オバマ大統領との会談の時の習近平国家主席は自信満々に見えましたが、ここ最近の中国の声明はまるで朝鮮中央通信のように見えます。経済力は上昇してるはずなのに国際社会での地位は逆に低下しているように感じます。これを国民から見たら、前任者が作り上げた経済力を有効に使えていない、言い換えると、財産を食い潰しているだけに見えているのではないでしょうか。現在の中国共産党は、自らの地位を守るのに必死だと言うことです。

今後の中国共産党は、どこかで勝負に出るものと思われます。経済成長が鈍化して国民の不満が溜まったら、それを解消するために国家の威信を増大させる何かが必要です。その何かは台湾です。中国の得意技は、民兵をしつこく送り込んで相手がモグラ叩きに疲れるのを待ち、いつの間にか自分の勢力圏にしてしまうことです。南沙諸島ではこの方法で成功しましたし、インドにも日本(尖閣諸島)にも同じ作戦を使ってます。しかし台湾のような大勢の人が住んでいる島に対しては、この作戦は使えません。できれば実力行使を仄めかすだけで台湾が屈服してほしいと思ってるでしょうが、それでも引かなかったら攻撃するしかありません。自分が引いたら国民の不満が爆発するかもしれないからです。やるからには絶対に勝たなければならないので、今はその日のために大急ぎで軍備を拡張しているところでしょう。

この対処方法としては、こちらが徹底的に防備を固めて中国に「今なら勝てる」と思わせないことです。経済成長が鈍化してるのに軍備にお金を注ぎ込めば、ますます国内が苦しくなりますので、そのうち中国の国民が打倒してくれるでしょう。

韓国批判した日本も「尿素水大乱」の兆し…(中央日報)

これです↓

韓国批判した日本も「尿素水大乱」の兆し…価格10倍に高騰 | Joongang Ilbo | 中央日報

リンクの貼り方覚えたので早速使います。

もしかしたら古くなると削除されちゃうかもしれないので内容を要約しますと、日本でも尿素水が不足し始めましたよーということが書いてあります。それだけです。

この記事のポイントは、タイトル冒頭の『韓国批判した』というところです。これを読んだ日本人全員が「え?批判なんかしたっけ?」と思うか、それとも「へー、批判してたんだ」と思うか、そのどちらかでしょう。で、本文を読むと『日本からの批判』というのは全然出てきません。

こういうとこです。この記事を書いた人の頭の中では、『尿素水が不足している⇒未然に防げなかったのは恥ずかしいことだ⇒日本人が笑っている』というふうに変換されてしまっているわけです。『不足』は事実なのですが、その次の『恥ずかしい』というのは「気にするとこそこじゃないんじゃね?」という疑問が湧きます。他国なら政府の対応を批判するだけで、別に恥ずかしいとは思わないでしょう。『笑われてる』に至ってはただの被害妄想です。嫌韓の人ならこの辺は瞬時に理解して「やっぱり韓国人だ」とニヤニヤするだけですが、それ以外の人には「この人達は一体誰と戦っているんだろうか?」と理解不能でしょう。しかし、これこそが韓国人なのです。常に他の先進国(特に日本)の目を気にして劣等感に苛まれ、それと同時に異常なまでの自己評価の高さを持つ。極端なネガティブと極端なポジティブを同時に持ち合わせている人達です。どこの国にも個人としてそういう人はいるでしょうが、それが大新聞の記事にまでなってしまうのは韓国ならではです。中央日報の記者は、そういう人達に合わせた記事を書いているわけです。なので、「タイトルと本文が違うじゃねーか!」などという批判は起こりません。

このように、韓国人というのは観察しているととっても楽しい人達なのです。嫌韓にとって【韓国】というのは、もはやエンターテイメントの1ジャンルとして確立されていると言えましょう。

 

追記

記事の最初の方に『韓国の供給網構造を批判していた。』と書いてあったの見逃してました。「本文中に『日本からの批判』は出てこない」というのを信用した方にはお詫び申し上げます。この件で韓国を批判した記事は読んだことないんで『批判してない』ということ自体は間違えてないとは思いますが。