世界の片隅でひっそりと呟く

アラフィフのサラリーマンです

毛沢東への評価

サーチナの記事です。

日本への「戦争賠償請求権」を放棄した中国、英断だったと称賛される理由-サーチナ

要約しようとしましたけど元の文からあんまり短くならなかったので全文引用します。シンシアリーさんの真似をして、引用部分を<<〜>>で囲みます。

 

<<中国の習近平国家主席は、講演などで毛沢東を称賛することが多く、毛沢東思想への回帰が進んでいるとも言われる。このためか、中国人の間でも毛沢東を高く評価する声が増えているようだ。中国メディアの百家号はこのほど、中国が日本からの賠償金を放棄したのは毛沢東の英断だったと主張する記事を掲載した。

 記事は、1972年の日中国交正常化にあたって日中共同宣言を発表したが、このなかで中国は、日本に対する戦争賠償請求権を放棄すると宣言したと指摘した。記事は、これには3つの理由があると分析している。

 その1つが「当時の田中角栄首相が中国に友好的だったこと」で、これには毛沢東も驚きつつ、日本にチャンスを与えることにしたと説明した。2つ目は「日本国民のことを考えたから」で、賠償金の負担を日本国民が負うことは毛沢東の望むことではなかったと主張した。

 3つ目は「実際のところ賠償には価値がなかった」ためだという。日本は賠償金を支払うとしても分割で長期間にわたって支払い、理由をつけて支払いを伸ばす可能性が高かったと主張した。金銭ではなく物資での賠償に応じるなら、日本は古い施設や機械をよこすに決まっており、そんなものをもらうくらいならない方が良かったとしている。

 そのうえで記事は、賠償請求権の放棄は毛沢東が「将来を見通した」英断だったと称賛した。そう言える理由として、「日本に台湾と断交させたこと」、「戦争で中国に与えた損害についての謝罪を引き出したこと」、「長期にわたって中国の発展のための援助を獲得したこと」を挙げた。

 それで、日中関係の関係修復の過程から「毛沢東は遠い将来を見通していたことが分かる」とし、賠償請求権を放棄したことは中国の平和的な発展に寄与したと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)>>

 

この記事で挙げている『毛沢東が英断を下した』3つの理由のうち、2つ目の『日本国民のことを考えたから』というのは全然信憑性を感じません。私的には中国人は総じて【利己的】かつ【合理的】な人達だと思ってるので、貰えそうなお金を貰わないのは何か別の利益を狙っている、としか思えないからです。しかし1つ目と3つ目はありそうだと思います。相手が友好的なら、友好関係を築いて長期的な利益を狙おう、今賠償金取るよりそっちの方が得なようだ、と考えることはあり得ます。貸しを作って後から返してもらう作戦です。お金を貸して利息で儲けるようなものでしょうか。そう考えると全然不思議ではありません。

『英断だったと言える理由』として挙げている3つの理由については、実際に実現したことなので、『将来を見通していた』という称賛も的外れではないと思います。日本はものの見事に乗せられてます。

 

ここから本題です。

別に『サーチナは正しい』と共感したから記事にしたわけではないです。毛沢東の評価について、私が思ったことです。ちょっとミスリードな気がします。

中国人が毛沢東を評価しているのは、『戦争に勝ち抜いて統一国家を作った』という戦略家としての評価です。これは5chの『20世紀最高の戦略家は』というようなスレでも必ず名前が上がるように、日本でも高く評価されてます。でも共産主義は全然評価されてません。戦争指導者としては英雄だけど内政は大失敗、「戦争に勝つとこまでで引退しとけばね」というような評価です。いくら習近平が頑張ってもこれは変えられません。普通に考えれば分かりますが、利己的な中国人に共産主義が合うわけがありません。どっちかと言うと日本人の方が合うと思います。稀に国のために生命財産を投げ打つ『国士』と呼ばれるような人が現れますが、それはごくごく稀な人だと中国人自身が分かってるからこそ歴史に名を残して尊敬されてるわけです。中国人が大日本帝国のように特攻隊を作ることなど想像もつきません。毛沢東国共内戦で勝利したのは、中国史でお馴染みの農民の反乱です。共産党の勝利ではあっても共産主義の勝利ではありません。国民党=地主階級、共産党=農民階級というカラー分けで、農民のニーズを的確に掴んだ毛沢東が勝った、というのが実態に近いと思います。今の中国には共産主義の面影はありません。ただの独裁政権です。政府が企業に加担する資本主義、国家ぐるみの資本主義というのが実態かと。習近平共産党の権威を上昇させようとしてと毛沢東の名前を持ち出してるだけで、もし共産主義に戻ろうと言い出したら政府が転覆すると思います。