世界の片隅でひっそりと呟く

アラフィフのサラリーマンです

中国国内での習近平の評価

昨日毛沢東の評価について書いたところですが、タイミング良く習近平の評価についての新聞記事が出てましたので、今日はそっちの方を。

これです。

トウ氏の名は9度登場、一度も出ない習氏の名…「静かな抵抗」暗に体制批判の文章 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

要約すると、『習近平毛沢東を盛んに称賛することで自分を毛沢東に比肩させて鄧小平〜胡錦濤を格下げしてるけど、共産党内では逆に鄧小平を高く評価することによる間接的な習近平への批判が広がっている』というような内容です。批判される要因として挙げられているのは、トップダウンによる強引な政治手法です。また、習近平の狙いとして挙げられているのは、『格差拡大や汚職蔓延など、改革開放の負の側面を是正し、貧富の格差を縮小する』ことです。

この批判を『改革開放で富を得た人達による抵抗』と見るか、それとも『自分の権力強化のために、成功していた鄧小平以来の開放路線を後退させていることへの抵抗』と見るかで、習近平への評価は180度変わるでしょう。

習近平は『富裕層を敵に回してでも庶民のために戦う国士』なのか『権力欲に取り憑かれた普通の中国人』なのか。真相は当人の心の中を覗かない限り分かりませんので想像するしかありませんが、私には前者のように思えます。私利私欲のために権力強化してるようには見えません。富裕層と戦うために、自分の権威を高めて庶民から鉄壁の支持を受けようとしているのではないかと。

しかし、今のところはどちらかと言うと上手くいっていないように思えます。自国の国力を高く評価し過ぎてて先進国を敵に回し過ぎ。以前は発展途上国のリーダーとして振る舞おうとしてましたが、最近はその発展途上国からも離反されてます。仲良くしてるのは投資目当ての後発開発途上国ばかり。中国の富裕層は、他国からどう思われようが自分達さえ良ければ気にしないと思いますが、それが自分達にとっても良くないなら気にします。ただ、庶民は他国からどう思われてるかすら知らないと思います。締め付け厳しくなってることについては、富裕層は不満たっぷり、庶民の興味は生活水準の向上が9割で、『天安門事件』を検索できなくても別に困らないので、情報統制されても「ごちゃごちゃと煩いな」ぐらいの感想かと思われます。

既に人口増が止まったこと、アメリカからの制裁が始まり、そちらに味方する国が多いことなど、中国の未来はあんまり明るくないようです。今の習近平は、富裕層は不満たっぷりで庶民からも思うように支持を集められていない、という感じでしょうか。ドライな中国人庶民達から思想で支持されようとしても土台無理な話。最後は金目ですからね。『中国主導の国際秩序』より『今までどおりアメリカ主導の国際秩序』の方が居心地が良い国が多いので、今後は今までどおりの経済成長は望めないでしょう。当人には残念ですけどどれだけ頑張っても毛沢東や鄧小平を超える評価は無理かなぁと予想します。