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「日本を嫌いな韓国人」と「日本を嫌いな中国人」には“大きな違い”があった…!

↓マネー現代の記事です。

「日本を嫌いな韓国人」と「日本を嫌いな中国人」には“大きな違い”があった…!(羽田 真代) | マネー現代 | 講談社(1/7)

12/7の記事なので掲載後2週間も経ってしまってますが、私が読んだのが昨日なので今日のエントリにします。

内容は、韓国については1ページから5ページ『捏造を繰り返して日本に嫌がらせばかりしている』ということを実例を挙げて紹介しており、6ページで中国について書いて、最後の7ページがまとめという感じです。

私が紹介したいのは6ページ中段の中国について書かれている部分です。抜粋して引用します。

<<今年8月に中国・大連で「日本風情街」という日本をテーマにしたショッピング通りがオープンしたが、開業わずか1週間で休業に追い込まれたことは記憶に新しい。

しかし、中国、特に富裕層の間では自宅に和室を作るなど、独自に日本文化を楽しんでいるという。この他にも若者の間では日本のコスプレ文化が派生・進化しており、日本の関係者からは「既に日本を抜いた」と危惧する声も上がっているほど、高クォリティーだという。

今年8~9月に実施された日中共世論調査では、中国人の日本に対する印象は66.1%もの人が「良くない」と答えた。大多数の中国人が日本に対し好印象を抱いていないが、それでも日本嫌いを他人に強要する声は韓国よりも遥かに少ない。

中国には、他国の文化を受け入れる懐の深さが少なくとも韓国よりはあるようだ。>>

この『懐が深い』という箇所には違和感があります。懐が深い人というのは『自分とは意見が違っている相手でも受け入れる大人な対応をする人』というような意味だと思いますが、中国人の場合は日中関係が自分にとって大して重要じゃないからあんまり気にしないし他人にも強要しない、自分が気に入った物は日中関係など気にせず使う、という方が正確なんじゃないかと思います。満州事変から第二次世界大戦までは実際に戦った敵国ですし、今は敵対関係にあるアメリカの同盟国ですし、感情が良くないのは当然でしょう。しかし中国人は今現在や将来的な損得を重視するから、日本が中国の国益にマイナスな行動を取れば悪感情を持つしプラスな行動を取れば感情が良くなるという、ごく普通の反応を示しているだけです。それに対し、韓国人は国益よりも感情を重視しているから、慰安婦に謝罪すれば感情良くなるし、反論したり無視したりすれば感情悪くなります。つまり中国人は普通で韓国人が特殊なのです。

中国は日韓の論争では韓国に味方することが多く、味方まではしなくても日本には味方しないので、【中韓】と一括りに考えている人が多いように見受けられますが、ちゃんと分けて考えた方が良いです。韓国は下からの反日ですが、中国は上からの反日です。中国の反日は、政府がその効果を考えてやっているものです。なので、その時の都合で反日になったり急に融和的になったりします。韓国は一本筋が通っているのでそんなにコロコロ変わりません。

日本人が中国人(漢民族ではなく中共の国民という意味)に対して見る目には、『中国共産党の圧政に苦しんでいる被害者であり救うべき対象』というのがあると思いますが、これは間違いです。もしそうなら反政府運動への支援で共産党を政権から追い出すことができる可能性があります。しかし、圧政に苦しんでいるのは民主化運動家やウイグル独立運動家だけです。香港のような元々民主主義だった地域以外では「民主主義?何それ美味しいの?」という状態でしょうし、ウイグル独立派に対しては「せっかく統一国家できたのに…」と思ってるのではないかと。香港で民主的に選挙やったら民主派が勝ちそうですが、それでも本土から引っ越して来た人はどちらかと言うと共産党寄りだと思います。本土の人からは、香港の民主化運動の人に対して「同じ中国人なのに本土の人を切り捨てて自分達だけ美味しい思いをしようとしてる」とか考えてそうな気がします。また、中国は『多民族国家である』というのを誇っており、民族主義というのを毛嫌いしてるフシがあります(余談ですが、アジア圏で白人コンプレックスを持ち合わせていない唯一の民族が漢民族だと思います)。なのでウイグル独立派はウイグル自治区内でも多数派とは思えません。つまり大多数の中国人は『このままで良い』と考えている、言い換えると『消極的な共産党支持者』だと思います。改革開放路線の成果ですね。これまた余談ですが、私としてはウイグルチベット住民投票やって独立派が勝つなら独立させてあげた方が中国人にとっても良いと考えてます。立地条件的に独立しても中国の属国みたいな状態なのは変わりませんので、中国人に損はありません。共産党としては『独立の是非を問う住民投票を実施する』という前例を作ること自体が許せないでしょうけど。

これまでも何度か書いてますが、中国人はかなり合理的な人達です。アメリカとの対立をイデオロギーの問題だとは全然考えておらず、ただの勢力争いだとしか考えていません。アメリカの批判に対しては「自分に都合のいいこと主張してるだけだろ」という感じです。と同時に、中国政府の主張に対しても同じ目で見ています。中国政府の主張の方が自分に都合が良い時に支持しているだけです。どちらかと言うと日本人の方がプロパガンダに弱い気がしてます。中国人ですら信用してない中国政府の言い分をパヨは全面的に信用してる時ありますので。実際アメリカは、『女性の人権』でタリバンをめっちゃ批判する割にはアラブ圏で最大の同盟国がサウジアラビアです。イランなんてサウジアラビアと比べたら全然民主的です。イスラエルばっか味方するのも欧米人以外には納得できないところ。アメリカは常に正義を旗印にしてはいますが、朝鮮でもベトナムでもアフガニスタンでも自国の利益や安全保障のために戦っただけで、純粋に当該国の国民のために戦ったことは一度もありません。『イラクは攻撃したのに北朝鮮を攻撃しないのは石油が出ないから』という話も大いに頷けるところがあります。アメリカの【正義】はただのプロパガンダでしょう。なので香港もウイグルも、中国人から見ればアメリカが中国の足を引っ張りに来てるだけです。その点、日本の方が感情に訴えかけられると弱いところがありますね。韓国ほどではありませんが。

中国との交渉は、感情やイデオロギーでは上手くいきません。ギブアンドテイク、【理】と【利】、飴と鞭で交渉しなければなりません。こちらにとって都合の良いことに、中国は威信という無形のものを非常に大切にします。朝貢貿易がその良い例です。ちょっと頭を下げるだけで過大なお土産を持たせてくれるので、周辺国はこぞって朝貢してたわけです。今は中国も『国家間の関係は対等』という建前を渋々受け入れてますので、別に頭を下げる必要は無くなりました。しかし、メンツを立ててあげればこっちの要求を飲ませやすいという傾向は変わってません。双方に利がある話なら理を持って説明すれば普通に交渉はまとまりますし、こちらにしか利が無い話なら表面上はメンツを立ててあげる、つまり退却の言い訳(例えば南シナ海なら「フィリピン人民のために」みたいな)を用意してあげて裏で恫喝することで妥協を引き出せるでしょう。

韓国人は理も利も通じませんし、借りができたから後で返さなくてはなんて考えませんし、メンツを立ててあげると更に調子に乗ってロクなことになりません。表も裏もなくただ恫喝するのが一番です。