世界の片隅でひっそりと呟く

アラフィフのサラリーマンです

景気対策では景気は回復しません

先に書いときますが、どうしたら回復するのか具体的な方策は何も書いてありません。

いつも「〇〇は止めましょう」みたいなことばかり書いて対案は何も出さないR憲民主党のような人です。

政治家ではないのでこれで良いのです。

提案は頭の良い人にお任せします。

頭の良い人と言えば東大卒。

東大卒と言えばH山由紀夫さんやF島瑞穂さん。

ちょっと不安になってきますね。

 

では本題です。

政府が過去最大の経済対策を行うそうです。

主な内容は、生活支援や中小企業支援の現金給付、先進技術開発への補助金やファンド、医療や福祉関係の賃金引き上げ、防災のための公共事業、と言ったところ。

でも言い切ります。頭悪いくせに言い切ります。

景気は良くなりません。

景気が良くなるかどうかは日本人(と言うか日本居住者)の心情で決まるからです。

 

何年か前に中国人の知り合いに「日本人はあんまり物欲が無いよね」というようなことを言われました。中国人旅行者による爆買いが話題になっていた頃です。その人が言うには、中国では周りが何か良い物を買うと「自分も同等の物を買わなきゃ」というプレッシャーのようなものを感じるそうです。その点、日本に居ると周りを気にする必要がなく、自分が欲しい物、自分にとって必要かつ十分な物だけを買えば良い、という感覚になるらしいです。

この話をしたのが、中国で通販大手2社のセール期間である『独身の日』の少し前です。毎年11月1日〜11月11日に行われるセールで、今年の売り上げはなんと16兆円。日本通信販売協会によると2020年度の日本全体の売り上げが10兆6千万円なので、2社でその1.5倍を11日間で売ってしまったことになります。まさに爆買いです。

 

今でこそ物欲が無い日本人ですが、かつては今の中国人のような時代がありました。1980年代後半のバブル期です。1988年の乗用車販売台数ランキングは、1位こそ大衆車のカローラだったものの、2位は準高級グレードのマークII、3位は更に高級グレードのクラウンです。DCブランドなどというものが流行し、1,500円の靴下や5,000円のTシャツを並んで買うという狂気の時代です。漫画雑誌に株式投資の解説が連載されてました。平家にあらざる者は人にあらず、高級車にあらざる者は車にあらず、1,000円以下のTシャツは服にあらず、みたいな。それに付いていけない男は女の人に相手にされないのですから、誰もが競ってお金を使ってたわけです。底辺の学生だった私には凄く嫌な時代でした。

そのバブルが崩壊してから所謂『日本の失われた30年』が到来し、ずっと給料が上がらず遂には先進国で最底辺になってしまいました。

 

何故給料が上がらないのか。景気が悪くて物が売れないからです。

では何故物が売れないのか。バブル期にはあんなに買いまくってたのに、何故日本人は物欲を失ってしまったのか。

当時と今の決定的な違いは、将来に対する期待感です。

1960年代の高度成長期には、毎年ガンガン収入が増え続けていました。当然物価もガンガン上昇しますが、今買わなきゃ来年には値上がってるので今買った方が良いという心理が働きます。収入が増えて行くのが確実だと思ってるので平気でローン組みます。金利も高いけどそれ以上に給料上がるから大丈夫だと思ってます。一時的に不景気になっても、景気は循環するものだから後で必ず好景気が来る、と信じてます。結果、誰もが物欲に溢れ、隣がテレビ買ったら自分も、クルマ買ったら自分も、という気持ちになります。今の中国と同じですね。

今の日本はどうでしょうか。

将来給料上がりそうもない。と言うか下がるかも。実際、20年ぐらい前は毎年のように下がってたし。年金だって下がりそうだし、将来が不安だからお金貯めなくちゃ。借金なんてとんでもない。身の丈に合った生活しないと後でとんでもないことになっちゃうね。

大抵の人がそう考えてるんじゃないでしょうか。物が売れるはずありませんね。

この状態で一時的にお金バラ撒いたって景気は良くなりません。景気を良くするためには、国民全員が無駄遣いしないとダメなんです。「お金だと貯金されちゃうからクーポン撒こう」という発想で地域振興券を発行したことがありましたが、そんなもん地域振興券使った分だけ給料が貯金に回るだけです。安倍政権の時に業績が良かった企業に賃上げを要請したことがありますが、企業側は基本給をそのままでの一時金の支給に拘ってました。一時的に収入増えても「来年はまた減るかも」と思ったらお金使いません。公共事業増やしても無駄です。東日本大震災以降、建設業界は仕事に困ってません。

みんなが江戸っ子のように、給料20万円貰ったら20万円全部を、50万円に増えたら50万円全部を使い切ってしまうなら、お金をバラ撒けば景気良くなります。しかし今の日本では誰も無駄遣いしないので、入って来るお金が増えても銀行預金が増えるだけ、銀行は投資先に困って国債発行するとすぐに売り切れ。景気は変わらずに国債発行残高だけが増えていきます。

 

結論として、景気を良くしたいなら国民に「将来は収入が増える」という確信を持たせなければいけません。また、「老後は路頭に迷うことはない」という確信も。でも無理矢理給料上げようとどうなるかお隣の国で既に結果が出てるとおり、来年いきなり給料がガーンと増えるというのもダメ。再来年からはずっと上がらないかもしれないのではダメなんです。毎年上がり続けないとダメなんです。国民全員が明るい未来を想像できないとダメなんです。

具体的にどうしたら良いかは私には分かりませんが、今の景気対策ではダメということだけは分かります。

 

読み返してたら誤解されそうな気がしてきたので少し追記します。

景気対策を止めるべきだと言ってるわけではないです。科学技術を進歩させるのは良いと思うし、看護師や介護士の給料上げれば資格持ってるけど割に合わないから働かないという人が戻って来るかもしれないし、防災対策は進めるべきだし、みんなそれなりに必要で効果もある政策なのだろうとは思います。ただ、景気を良くするためには何か別の方策が必要ですよ、という主張です。