世界の片隅でひっそりと呟く

アラフィフのサラリーマンです

台湾と韓国を交換する作戦

ずっと前から考えていた構想ですが、もうタイミングを逃してしまったのでもはや【妄想】です。

構想の内容は、タイトルそのまんまです。

『どれだけ引き止めてもいつかは必ず中国側に行ってしまうんだから、どうせなら率先して中国に差し出して代わりに台湾を諦めてもらおう』

というものです。

要するに、米軍の撤退と台湾の独立をバーターで取り引きしよう、という構想です。樺太千島交換条約みたいな感じの。もちろん、台湾が独立するかどうかは台湾が決めることなので、中共には「台湾を核心的利益から外す」みたいなことを言ってもらうだけです。台湾が望めば中共自治区になることもできるし、独立宣言するなら妨害しないと約束してもらう。当然ながら『台湾から大陸に反攻する』という夢物語みたいな国是は捨ててもらうのが前提です。

トランプ大統領は似たようなこと考えてたんじゃないかと想像します。米軍撤退という餌をどれだけ高く売ることができるか、みたいなことを。中国だけではなく北朝鮮も商売相手として考えられますし。

何故アメリカが韓国を自国の勢力に留めておきたいかと言えば、韓国の位置が重要だからだと思われます。大陸の一部に、小さくても良いから自国の勢力圏を保持しておく。そうすれば仮に何らかの要因で戦争になった時に韓国の港湾に兵力・物資を陸揚げできます。もし韓国が敵に回ったら大陸への足掛かりを失い、また仁川上陸作戦から始めなければならなくなってしまいます。韓国が無いと陸軍を大陸に送り込めないわけです。この地政学的な価値を十分に自覚していた韓国は、少々の我儘を言っても大丈夫という判断の基に日本に難癖を付けて来ていたわけです。実際にその判断は正しく、アメリカは常に日本に譲歩させていました。

日本は日本で大陸の勢力、一昔前はソ連、今は中国からの脅威を遠ざけるために、韓国を盾として使いたいという事情があります。第二次世界大戦前は同じ理由で日清日露と2回も戦争し、併合してからも大金を注ぎ込みました。すぐ近くに仮想敵国の基地があるというのは大変な脅威です。もし対馬から目と鼻の先にある鎮海の軍港に仮想敵国の海軍基地があったらどうなるか。対馬は全島を要塞化してミサイルでハリネズミのような島にしなければならないでしょう。尖閣諸島で押し合いへし合いしてるどころの話ではなくなります。だからこそ中国と仲の良い北朝鮮が韓国を吸収することがないように援助し、また、韓国そのものが東側に走らないように不本意ながらも譲歩を重ねて来たわけです。

しかし、時代は変わりました。韓国の地政学的な価値は低下してしまいました。ソ連がロシアに変わってからは極東での脅威は大幅に減少し、ヨーロッパ方面が前線になっています。極東ではソ連に代わって中国が正面の敵になりました。ソ連時代は北海道が最前線でしたが、今は沖縄が最前線です。北朝鮮は、日本にとっては核とミサイルで直接脅威を与える存在となり、間にある韓国はどうでも良い感じになっています。日本としては、後は韓国に軍事基地を作られることだけを避ければ良い状態です。アメリカにとっても、大陸に軍隊を送らなければならなくなる可能性は北朝鮮との戦闘が発生した時ぐらいでしょう。アメリカが中国やロシアと直接矛を交えることは、お互いに絶対にしないと思います。つまり韓国は、アメリカにとって『生命線』とまでは言えない立場になっていると思われます。少なくとも朝鮮戦争の時のように先頭に立って戦う気はないでしょう。

中国の立場では、鴨緑江の対岸に米軍基地を作られるのは絶対に避けたいところです。対馬海峡は50kmぐらいありますが、こちらは川ですからね。また、難民の大量流入も凄く困ります。常日頃から一生懸命国民に不満持たれないように頑張ってるのに、いきなり食うや食わずの人達が激増して暴動でも起こされたら大変なことになります。だからこそ潰そうと思えば簡単に潰せるのにも関わらず、北朝鮮の核開発を苦々しく思いながらも『生かさぬよう殺さぬよう』程度に物資を送り続けているわけです。

ここまで考えると、『朝鮮半島には基地を作らない』という条件付きであっても米軍が撤退してくれるのは中国にとって非常に都合の良いことなので、何らかの代償を貰えそうです。韓国側から北朝鮮を攻撃することは無いでしょうから、中国は難民流入をそれほど心配しなくても良いと思われます。ベトナムの例からして戦争になったら恐らく北朝鮮の勝ちです。そして、中国から貰う代償というのが『台湾を諦めること』です。これは中国にとっては凄く難しい決断となりますが、地続きの脅威がゼロになるというのも凄く大きいので、合意する可能性はゼロではないと思います。日本は難民キャンプの準備だけはしておかなければなりませんが。

 

最初に書いたタイミングを逃したと言うのは、この構想は李明博大統領の頃ならイケたんじゃないかと思うんですが、朴槿恵以降は『脅せば逆らわない』ということが中国にもハッキリと分かってしまっており、『米軍撤退』の値段が安くなってしまったからです。それに対し台湾は、中国の海軍力の増強で戦力差が縮まっており、また、ここ数年は外交戦でバチバチやっているので、中国としては引き下がりにくくなっています。つまり今の台湾の対価としては、今の韓国では釣り合わない状況です。

ということで、もう実現しそうもない構想ですが、米軍撤退を習近平の手柄にしてあげる代わりに他の方面で譲歩させて緊張緩和というのは是非やってほしいところです。その落としどころを日本が立案し、米中を説得して合意させる。なんか胸アツです。韓国も北朝鮮と一つになれてwin-winですよね。